子供は「いる?」「いらない?」
独身時代、職場のジジイがよく言ってましたよ。
「〇〇さん、子供はいいよ。結婚したら、必ず子供は持ったほうが人生が豊かになるよ。」と。
正直、独身の男女や子供のいない夫婦に向かって真正面から「子供を持った方がいい!」と言い切っちゃう御仁達には辟易してしまうのですが、その時は適当に聞き流していました。
その数年後、私も結婚し子供を授かりました。
そして6年間子供と過ごす生活を送り、離婚しました。その後、もう数年間母親に引き取られた子供とは会っておりません。
で、長いようで短いような結婚生活の中で感じた「子供と過ごす最大の楽しみ」をふと改めて考えたところ…
「子供が産まれるとその瞬間から2回目の人生が始まる」
…と言うことでした。
蝉のいない夏…
大人になって会社と家の往復を繰り返していた独身時代。
段々とそんな生活が当たり前になって休日は家から一歩も出ずにいる日々が増えたあの頃。
そんな生活が一変したのは、結婚⇒子供が産まれてからでした。
子供と外で遊んだり、小学校のお受験のために朝早くから縄跳びの練習を一緒にしたり…
子供中心の生活になるにつれ、忘れかけていた身近な季節の移ろいにも目が行くようになりました。
「あっ、お父さん!ここに蝉の抜け殻があるよ!」
「あっ、お父さん!こんな所に霜柱があるよ!」
「あっ、お父さん!これなんて花なの?」
独身時代は蝉の鳴き声がまだ聞こえてこない朝早くに出社して、夜遅くに帰宅する日々。
それが子供が産まれると否が応でも休日等には朝早くから一緒に外遊びをするため、季節感を感じる生活が蘇りました。
私の人生から消えていた蝉の鳴き声も再び耳にするようになりました。
と同時に30数年前に自分自身が体験した遊びを子供に教え、再び共に遊ぶことで2回目の人生を楽しんでる自分に気づきました。
例えるなら1回クリアしたロープレの2週目を体験しているような感覚。
今度は子供が増えた分、2人パーティー、3人パーティーになったような気分。
1週目の人生では未熟でできなかったことが、2週目ではラーニング済なスキルのおかげで、異なる新たな視点で楽しめちゃうオマケつき。しかも子供とだから余計に楽しい。
子供の気持ちを理解しようとその頃の自分を投影してみることで、初めて自分の親の気持ちにも思いを馳せたり。
「子供を成長させるために親がいる」ってのは間違いないけど、それ以上に「子供に成長させられるために親がいる」って感じ。
でも、離婚して子供から離れた私には久しく蝉の鳴き声は聞こえてきません…
今年もまた、蝉のいない夏が終わろうとしています…